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John Gauntner 氏による日本酒コラム <Vol.5>

John Gauntner バナー


John Gauntner 氏の日本酒コラム

 ジョン・ゴントナー氏のご紹介

John Gauntner 写真


John Gauntner (ジョン・ゴントナー)

日本酒伝道師。’88年8月、JETプログラム英語教師として来日後、電子エンジニアを経て日本酒ジャーナリスト



John Gauntner (ジョン・ゴントナー) 
 
〈プロフィール〉
1962年アメリカ・オハイオ州生まれ。シンシナティ州立大学電子工学科卒業。1988年文部省(当時)主催の「Jetプログラム」により来日後、電子エンジニアを経て「日本酒ジャーナリスト」となる。これまでに「The Japan Times」「読売新聞」等に日本酒コラムを連載。執筆講演活動に加え2003年より立ち上げた「日本酒プロフェッショナルコース」を毎年開催、講座参加者は2021年現在2500名を超える。日本酒輸出協会(SEA)理事。Sake Connections社役員。英字雑誌「Sake Today」編集、月に2回メールマガジン「Sake Industry News」を発刊。

 
<ナチュラルワイン>


ここ数年、「ナチュラルワイン」が注目されるようになり、ファンの数を増やしてきている。が、なかなか強烈なワインなので、味の整っている洗練されたワインを好むワイン通には、正直あまりウケていない。
で、「ナチュラルワイン」が好きだという人は、一体何が好きなのかと言うと、どうやらその強烈な「スタイル」が好きなようで…大方、それぞれのワインが持つ実際の味わいや香りよりも、ナチュラルワインの「コンセプト」や「アイディア」が好き、ということなんだと思う。
もちろん、それだってOK。人間だれしも自由に、自分好みのワインや日本酒を選んでいいし、選ぶ理由だってなんだってかまわない。でも僕は時々考えるのである――「嗜好品」とは、味や香りよりも、コンセプトで選ぶものなんだろうかと。
加えて、「ナチュラルワイン」にははっきりとした定義がない。いろいろな人が異なる意見を言っているので、わかりづらいところもあるが、簡単に言えば、無農薬で育てられた葡萄、そして無添加で醸造、そして極力テクノロジーを使わない、というところだろうか。
というところで日本酒を考えてみると、海外の日本酒ファンの中に、このコンセプトを用いて「ナチュラル酒」を選ぶという人がいて、彼らは次に挙げるようなキーワードにあてはまる酒を選ぶのだ:
・無農薬の米 ・純米系 ・無濾過 ・生 ・原酒 ・にごり系 ・乳酸無添加酒母(生酛、山廃、菩提元。)
と言ったキーワードに加えて、なかなか手に入りにくいだろうけど:
 ・酵母無添加(屋根付き酵母など) ・低精米
と言ったあたりのワードも加わる。たいてい一つのワードだけじゃなく、いくつかのワードが合わさっている酒ならさらに喜ばれる。
 だが、前述したように、僕は時々心配になる――彼らはその酒が本当に好きで好きと言っているのか、もしくはその「アイディア」や「コンセプト」が好きだから好きなんだろうか?ナチュラルとか、人の手を介さず造られた酒、なんてことを耳にすると、自動的に「好き」ということになってしまうのだ。実際その酒がどういう味や香りを持つかは置いておいて。
 実のところ、こういった酒は量的には海外であまり出回っていないし、手に入るものはどれもおいしく楽しめるものばかりなので問題はないのだけれど。でも実際の味わいよりも「コンセプト」で選ぶ、というのは、日本酒を学ぶ方法としてはあまりおススメできないし、もちろんそれが当たり前になってほしくない。
 いわゆる「ナチュラル酒」は本流ではないし、もっと大切なポイントはそれが日本酒の全てじゃない、ということだ。いい例えかどうかわからないが、アメリカで創作寿司のスパイダーロールが大好きなあまり、そればかり食べて、そのうち勝手にスパイダーロールだけが食べる価値のある寿司だと思ってしまう――江戸前の握りを食べたこともないのに!そんなことにならないように、海外の日本酒ファンにももっと情報を届けて、いろいろ試してみて行く中で、自分の好みを見つけてもらいたい…と僕はいつも思っている。
 




 
John Gauntner
<翻訳:ゴントナー麻由子 >

 

 
 

2022-04-21 09:26:00

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John Gauntner 氏による日本酒コラム <Vol.4>

John Gauntner バナー


John Gauntner 氏の日本酒コラム

 ジョン・ゴントナー氏のご紹介

John Gauntner 写真


John Gauntner (ジョン・ゴントナー)

日本酒伝道師。’88年8月、JETプログラム英語教師として来日後、電子エンジニアを経て日本酒ジャーナリスト



John Gauntner (ジョン・ゴントナー) 
 
〈プロフィール〉
1962年アメリカ・オハイオ州生まれ。シンシナティ州立大学電子工学科卒業。1988年文部省(当時)主催の「Jetプログラム」により来日後、電子エンジニアを経て「日本酒ジャーナリスト」となる。これまでに「The Japan Times」「読売新聞」等に日本酒コラムを連載。執筆講演活動に加え2003年より立ち上げた「日本酒プロフェッショナルコース」を毎年開催、講座参加者は2021年現在2500名を超える。日本酒輸出協会(SEA)理事。Sake Connections社役員。英字雑誌「Sake Today」編集、月に2回メールマガジン「Sake Industry News」を発刊。

 
<コンテナのお話。>


日本酒とコンテナのお話。

日本から輸出される日本酒の行き先は、量的に見ると第一位はアメリカ。でも金額的には中国が第一位となっています。
今現在、世界中で問題になっている輸送の危機、即ちコンテナ不足について、皆さんお聞きになったことがあるだろうと思います。
私は仲間たちと会社を立ち上げて、輸出を行う会社をやっているので、この問題はかなりリアルで、身近な問題となっています。
まず輸送のスペース、つまりコンテナの確保が困難を極めています。世界中でコンテナの取り合い合戦が繰り広げられていて、
こういった問題が起きる以前に比べると輸送費はもちろん高騰。
せっかくコンテナが手配できたとしても、何らかの事情で日本の港をスルーして行ってしまうこともしばしば。
運良く積んでもらうことができても、例えばロスなどの港の手前まで着いて、港の人手不足と大混雑で港の中に入れてもらえず、
何週間もただただ水面に浮かばざるを得ない船で海はあふれかえっているそうです。 
それでもやっと日本酒が港に到着して、アメリカ国内に入ったとしても、陸路を運んでくれるトラックの確保がまた大変。
少しずつでも動きはあるようですが、それでも以前よりかなりの時間を要しています。
もちろんこれは日本酒業界に限ったことではなく、車も電化製品もアパレルも、思いつくありとあらゆるものの輸送が混乱しています。
でもおそらく大抵の人は、日本酒も影響を受けていることはなかなか想像できないんじゃないかと――コンテナの問題によって、
全米の日本酒ファンや、ニューヨーク、ラスベガス、サンフランシスコのレストランが、欲しい日本酒を手に入れることができないでいる…
なんて考える人はそうそういないんじゃないかと思います。
今の時点では、多くの輸入会社が在庫をある程度持っているので、何とか持ちこたえていますが、多くの銘柄が手に入りにくい、
もしくは在庫切れと言う状況。
噂では、コンテナ不足は今年いっぱい続くらしいです…



 
John Gauntner
<翻訳:ゴントナー麻由子 >

 

 
 

2022-03-09 17:21:00

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John Gauntner 氏による日本酒コラム <Vol.3>

John Gauntner バナー


John Gauntner 氏の日本酒コラム

 ジョン・ゴントナー氏のご紹介

John Gauntner 写真


John Gauntner (ジョン・ゴントナー)

日本酒伝道師。’88年8月、JETプログラム英語教師として来日後、電子エンジニアを経て日本酒ジャーナリスト



John Gauntner (ジョン・ゴントナー) 
 
〈プロフィール〉
1962年アメリカ・オハイオ州生まれ。シンシナティ州立大学電子工学科卒業。1988年文部省(当時)主催の「Jetプログラム」により来日後、電子エンジニアを経て「日本酒ジャーナリスト」となる。これまでに「The Japan Times」「読売新聞」等に日本酒コラムを連載。執筆講演活動に加え2003年より立ち上げた「日本酒プロフェッショナルコース」を毎年開催、講座参加者は2021年現在2500名を超える。日本酒輸出協会(SEA)理事。Sake Connections社役員。英字雑誌「Sake Today」編集、月に2回メールマガジン「Sake Industry News」を発刊。

 
<酒と米、ワインと葡萄>


酒と米、ワインと葡萄
 
年々、海外への日本酒の輸出が増加しているが、他国で日本酒の素晴らしさをすぐに理解してくれるのは、やはりワインを飲み慣れている人たちだ。
彼らは日本酒を飲むにつれ、徐々に「酒米」の存在を知るようになる。そして酒米には豊かなバラエティーがある事も知ることになる。
すると何が起こるのかと言うと、彼らはワインの「型」に日本酒をはめようとし始める。葡萄が最終的なワインの味を決定するように、日本酒も酒米によって味が決まる、と思うのである。
そしてどの酒米から酒が造られているのかを「重大視」するようになる。確かに最近、酒米の種類への注目度はじわじわと高まってきていて、もしかしたらいつかこの「型」が本当に定着してしまうのではないか、と勝手に心配になったりしている。
もちろん、日本酒の味に「米」は関係している。でもワイン造りとは異なり、日本酒の造りの要は醸造技術と杜氏の強さにもある。だから10軒の酒蔵があったら、同じ酒米を使っても、それぞれが持つ技術を用いて、全く異なるタイプの酒を10種産みだすことが可能なのだ。
だから「この葡萄だからいつもこのような味わい」とワインのように、日本酒と酒米を捉えるには少々無理があるんじゃないかと思っている。
たしかに、優れた日本酒を産みだすには優れた酒米が必要だ。でもその本当の価値は、出来の良い酒米は杜氏と蔵人に素晴らしい仕事をさせてくれる、という点にある。良い酒米は酒造りをする蔵人に「協力」するのだ。
日本で酒造りをしている人たちの中にも、「酒米が味を決める」ということをプッシュしている人たちもいて、田んぼ単位の違いを強調し、この田んぼとあの田んぼの味はこんなに違うのですよ、と違いを見せようとする。
もちろんそれも話題のひとつとしては面白いとは思うけれど…でもほとんどの日本酒には、その酒が持つ酒質を、使われた酒米に直接結び付けるには限界があるなと、少なくともワインと葡萄ような直接的な話じゃない、と僕は感じている。
僕はこの事を海外の日本酒ファンと、彼らに日本酒を売っている人たちに伝えなければと感じていて、しかもなるべく早く伝えた方がいいと思っている。



 
John Gauntner
<翻訳:ゴントナー麻由子 >

 

 
 

2022-02-10 11:36:00

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John Gauntner 氏による日本酒コラム <Vol.2>

John Gauntner バナー


John Gauntner 氏の日本酒コラム

Vol.1 ジョン・ゴントナー氏のご紹介

John Gauntner 写真


John Gauntner (ジョン・ゴントナー)

日本酒伝道師。’88年8月、JETプログラム英語教師として来日後、電子エンジニアを経て日本酒ジャーナリスト



John Gauntner (ジョン・ゴントナー) 
 
〈プロフィール〉
1962年アメリカ・オハイオ州生まれ。シンシナティ州立大学電子工学科卒業。1988年文部省(当時)主催の「Jetプログラム」により来日後、電子エンジニアを経て「日本酒ジャーナリスト」となる。これまでに「The Japan Times」「読売新聞」等に日本酒コラムを連載。執筆講演活動に加え2003年より立ち上げた「日本酒プロフェッショナルコース」を毎年開催、講座参加者は2021年現在2500名を超える。日本酒輸出協会(SEA)理事。Sake Connections社役員。英字雑誌「Sake Today」編集、月に2回メールマガジン「Sake Industry News」を発刊。

 
<日本酒との出会い>


初めて「地酒」と出会った日のことを今でも鮮明に覚えています。1989年の1月1日でした。当時お世話になっていた方が、元日にご自宅に招待して下さったのです。
 
それまで僕は居酒屋で「Hot Sake」(熱燗)を飲んだことがあるくらいで、日本酒のことは何も知らず、どうやら米からできているらしい、きっと全部同じ味がするんだろうと思っていました。
 
すき焼きをご馳走になった後、「さぁこれから飲み比べをしましょう」と、その方が目の前に6本の一升瓶を並べて下さいました。何も知らない僕は、一升瓶を間近で見るのも初めてで、「日本酒なのに温めないのかな」「どれも同じような味だろうに、飲み比べなんて
できるのかな」などと思いながら、軽い気持ちで注がれた日本酒を口にしたのです。
 
その瞬間の衝撃といったら!
 
一気に、頭の中で、いくつもの扉がさっと開いて行くような感覚に襲われました。僕は次々とその6種の酒を飲み、一つ一つが持つ奥深い味わいと香りに圧倒され、それぞれのキレ味の違いに大いに驚かされました。
 
その後、いくつもの縁が重なって、こうして日本酒を世界に伝える仕事をやらせていただいている今でも、あの時の6種の銘柄を耳にすると、心にぽっと明かりが灯るのです。
 
6種の酒は「窓の梅」(佐賀県)、「大山」(山形県)、「浦霞」(宮城県)、司牡丹(高知県)、「若戎・真秀」(三重県)、「酔心」(広島県)でした。


 
John Gauntner
<翻訳:ゴントナー麻由子 >

 

 
 

2022-01-14 08:42:00

John Gauntner 氏による日本酒コラム <Vol.1>

John Gauntner バナー


John Gauntner 氏の日本酒コラム

Vol.1 ジョン・ゴントナー氏のご紹介・ごあいさつ

John Gauntner 写真


John Gauntner (ジョン・ゴントナー)

日本酒伝道師。’88年8月、JETプログラム英語教師として来日後、電子エンジニアを経て日本酒ジャーナリスト



John Gauntner (ジョン・ゴントナー) 
 
〈プロフィール〉
1962年アメリカ・オハイオ州生まれ。シンシナティ州立大学電子工学科卒業。1988年文部省(当時)主催の「Jetプログラム」により来日後、電子エンジニアを経て「日本酒ジャーナリスト」となる。これまでに「The Japan Times」「読売新聞」等に日本酒コラムを連載。執筆講演活動に加え2003年より立ち上げた「日本酒プロフェッショナルコース」を毎年開催、講座参加者は2021年現在2500名を超える。日本酒輸出協会(SEA)理事。Sake Connections社役員。英字雑誌「Sake Today」編集、月に2回メールマガジン「Sake Industry News」を発刊。

 
<「日本酒コラム」スタートのごあいさつ>


 「さかや栗原」さんと初めてお会いしたのは1994年頃でした。
 
僕が英字新聞「The Japan Times」に日本酒の記事を書き始めた頃で、当時、奈良県の酒蔵で働いていたフィリップ・ハーパー氏から「東京に住んでいるなら栗原さんに会いに行くべきだ」と言われ、町田にあったお店を訪ねて行ったのが最初でした。当時、まだあまり日本語も話せなかったし、緊張で心臓が飛び出しそうになっていたことをよく覚えています。
 
手ぶらで訪ねるのもどうかと思い、さて何を持って行こうかと悩みました。そうだと思いついて、ホームベーカリーでパンを焼いて持って行ったんです。今思えば、アメリカ人が「自分で焼きました」なんてパンを持って現れたら、ものすごくびっくりしますよね。でも栗原さんは笑顔でとても温かく迎えて下さって、それ以降、本当にいろいろなことでお世話になっています。
 
お酒を買う際には沢山のアドバイスをいただき、お店で使う酒の案内の翻訳等もお手伝いさせていただきました。土地柄、周辺にある大使館で日本酒に関するイベントをする際には、お酒の手配もお願いしました。
 
 時代は流れ、日本酒の輸出量もかなり増加し、世界中で日本酒を楽しめる時代になりました。(もちろん地域差もあります。課題もまだまだたくさんあります。)僕が日本酒の魅力を海外に伝える仕事に携わるようになって、もう20年以上。これからも、さらに日本酒を世界に広めるために邁進するのみです。
 
 日本酒のどんな魅力を海外に伝えているのか?どのような活動をしているのか?例えばアメリカではどのように受け入れられているのか?そのようなトピックを中心に、アメリカ人の僕が感じてきた日本酒の魅力を、皆さんにお伝えしていければと思っています。

 

John Gauntner
<翻訳:ゴントナー麻由子 >

 

 
 

2021-12-19 12:33:32

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<きき酒コラム> Vol.3 雄町米の魅力


 



松崎さんコラム用

松崎 晴雄 (まつざき・はるお)

株式会社SAKEマーケティングハウス代表取締役。日本酒輸出協会会長。
酒類ジャーナリスト、コンサルタントとして、執筆・講演活動を行うほか、国内外の日本酒イベント、プロモーションに従事。

 


 「雄町」米の魅力

 

 「山田錦」と並び称される代表的な酒米「雄町」。江戸時代末期に岡山県の篤農家・岸本甚造が発見し、以後150年以上にわたり作付されている、食用の一般米を含め最古の米品種の1つです。「雄町」という名称も岸本翁が栽培を広めた地名にちなんだもので、今なお岡山市中区には雄町の町名があります。

 飯米としても優れていた米ですが丈が長く倒伏しやすいため、戦後は栽培農家も大幅に減少してしまいました。再び脚光を浴びるようになったのは、昭和末期に始まった吟醸酒のブームからです。「山田錦」を筆頭に優良な酒米を求める動きが高まり、希少な品種として注目を集めるようになりました。

日本酒の味わいの要素は「甘・辛・酸・苦・渋」の5つあると言われ、「山田錦」で造った酒はこの五味が等間隔で現れる、バランスの良さが特徴と言われます。一方「雄町」の酒は全体の味のボリュームがある中にも酸味と甘味に特化した感があり、「山田錦」とは異なる個性があります。近年オマチストと呼ばれる「雄町」米の酒のファンが増えているのも、酸をアクセントに据えた旨口型の酒質が評価されていることと、無関係ではないように思います。

 岡山産の「雄町」を使った酒が、全国から出品される「雄町サミット」という審査会があります。毎年開催され(昨年はコロナの影響で中止)12回目となった今年は924日岡山市内で行われ、私も審査員で行ってまいりました。「吟醸酒の部(純米大吟醸酒、純米吟醸酒を含む、アルコール添加した大吟醸酒も出品あり)」と「純米酒の部」の2部門合わせて約200点が出品されました。

 これだけ多くの「雄町」のみを用いた酒をきいていると、先に述べたこの米独自の特性があることがよくわかります。やわらかく溶けやすい米なので、味が良く出る長所がある一方、ともすれば味が濃すぎたり甘さがくどく出ることもあります。しかしながら「雄町」固有の植物的な酸味を感じさせながらも、あるものは味の幅と奥行きを表現し、またあるものはスマートに洗練され、現代の嗜好に合った酒質が多く見受けられました。

最古の品種ではありますが、この米による酒造りも進化していることを感じています。特に東日本の酒蔵が多く使うようになり、地域や酒蔵の特徴を反映し、軽快で淡麗なスタイルも増えてきている感があります。上位に入った約2割の酒を毎年「優等賞」として発表していますが、例年東京で雄町行われていた全出品酒の公開きき酒は行なわれませんでした。来年はコロナも終息し、ずらりと並んだ「雄町」の酒をぜひ皆さんにもきき酒してもらいたいと思います。

松崎 晴雄
 


 

 
 

2021-11-29 22:56:34

<きき酒コラム> Vol.2 旬の酒 ひやおろし


 



松崎さんコラム用

松崎 晴雄 (まつざき・はるお)

株式会社SAKEマーケティングハウス代表取締役。日本酒輸出協会会長。
酒類ジャーナリスト、コンサルタントとして、執筆・講演活動を行うほか、国内外の日本酒イベント、プロモーションに従事。

 


 

 今年は8月後半以降涼しい日が多く、残暑が厳しい例年に比べ秋が早くやってきたと感じます。そうなりますと本格的な日本酒の季節到来、この時期に発売されるのが「冷やおろし」です。 
 「冷やおろし」は古くから使われている言葉で、樽に詰められた酒を酒屋が店頭で量り売りをしていた、つまり瓶詰めの製品が出回る前、江戸時代にはすでに使われていたと言われます。
 日本酒は通常、酒が出来上がり貯蔵する前と、瓶詰めして出荷される前の2回、「火入れ(加熱処理)」を行って酒質を安定させます。このうち後者の火入れを行わないのが‟生詰め”の酒です。
 秋が来て涼しくなり、蔵の中の酒の品温が外気温と同じ時分になると、雑菌が繁殖するリスクが少なくなることから、昔はそれを目安に火入れをせず樽に詰め酒を出荷していました。「冷やおろし」とは、この秋口だけに出荷される生詰酒のことを指します。漢字で書けば「冷や卸し」、文字通り(火を入れず)冷たい状態で蔵出しされる酒、というわけです。
 ひと夏を越すと、貯蔵されている酒もまろやかになり旨味も増してきます。生詰めによるふくよかな感触と味の載った飲み口は、この時期だけの味わいとして酒通にもてはやされるようになりました。
 そのため他の季節の生詰酒や、秋に出る酒でも一度も火入れをしていない生酒は「冷やおろし」と呼びません。また「秋上がり」「秋晴れ」といった言葉もありますが、これらは夏の貯蔵を経て秋に味が載って美味しくなる酒の状態を指しますので、「冷やおろし」の同義語というわけではありません。  今では酒蔵の貯蔵環境が改善され、常温の大きなタンクではなく、瓶詰めして冷蔵貯蔵されるケースが増えています。そのため秋口に出荷される酒でも比較的に若く、フレッシュな風味のものが多くなりました。同様に「冷やおろし」も以前に比べ、若めの酒質が見受けられるようになってきました。また中には熟成した感触を保ちながら少し若さがのぞくようなタイプもあり、微妙に移ろいゆく二層の味を楽しめるのも魅力です。
 とはいえほどよい熟成を経てそこはかとない旨味を備えた酒は、この季節ならではの旬の味わいと言えるでしょう。四季の移ろいに合わせて酒質が変わり、季節感を味わうことができるのも日本酒の醍醐味。日々進化する日本酒の中でも「冷やおろし」には、古くから親しまれてきた普遍的な深い味わいがあると感じます。


松崎 晴雄
 


 

 
 

2021-10-10 12:56:41

<きき酒コラム> Vol.1 松崎晴雄氏のご紹介 / ごあいさつ

松崎さんコラム


松崎晴雄氏のきき酒コラム

Vol.1 松崎晴雄氏のご紹介・ごあいさつ

松崎さんコラム用


松崎 晴雄 (まつざき・はるお)

株式会社SAKEマーケティングハウス代表取締役。
日本酒輸出協会会長



松崎 晴雄 (まつざき・はるお) 
 
株式会社SAKEマーケティングハウス代表取締役。日本酒輸出協会会長。
酒類ジャーナリスト、コンサルタントとして、執筆・講演活動を行うほか、国内外の日本酒イベント、プロモーションに従事。各県の清酒鑑評会審査委員や、佐賀県、長野県の「原産地呼称管理委員会」清酒焼酎部門の官能審査員を務める。著書に「日本酒ガイドブック」(柴田書店)、「日本酒のテキスト①、②」(同友館)など。「純粋日本酒協会」きき酒コンテストでは、30回以上名人となり永久名人に認定される。
 

 

<「きき酒コラム」スタートのごあいさつ>


 「さかや栗原」さんとはかれこれ約40年のお付き合い。先代社長の故・栗原信平さんとある酒の会でお会いして、当時住んでいた八王子から横浜線1本で行けるということから、何度もお店を訪ねました。
 その頃は地酒専門店も日本酒の会も、東京周辺であっても数えるほどしかなく、毎月お店の2階で行われていた「幻の日本酒を探す会」に参加するのが大きな愉しみでした。ちょうど大学を卒業し社会人になったばかりで、普段一緒にいる同じ会社の人たちとは別に、日本酒好きの人たちが会する場に参加することで、お酒の美味しさだけでなく酒縁のありがたさを感じたものです。
 このたびそのようなご縁から、コラムを担当させていただくことになりました。その間私が見たり聞いたりしてきたことに加え、実際に‟きいて”きた酒の香りや味にも触れながら、いろいろなトピックスを交えて書いてまいりたいと思っています。
 日本酒は長い歴史のあるアルコール飲料ですが、特に近年の進化には目を見張るものがあります。古いようで実は新しい日本酒の魅力が、コラムを通じて皆様にうまく伝われば幸いです。

 
松崎 晴雄

 

 
 

2021-09-30 13:15:49

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20歳未満の方への酒類の販売はいたしておりません

20歳未満の方への
酒類の販売はいたして
おりません

飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。
お酒は楽しく、ほどほどに。飲んだあとはリサイクル。
当店では20歳未満と思われるお客様の場合必ず年齢確認を行い、
未成年者へお酒を販売しないように取り組んでいます。

飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。
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